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【小学生4年~】

小学校4年生の初夏、体育の時に僕は、長袖の運動着を着ていました。
いくら言っても半袖を持参しない僕にしびれを切らし、担任の先生は母に連絡したそうです。
いつまで冬の体操着なのですかという質問に、母はその意味が呑み込めずに、押し問答になってしまったそうです。

僕は、感覚過敏であり、ちょっとした洋服のでっぱりが気に入らないと脱いでしまっていました。
洋服のタグは必ず全て丁寧に外し、手首も締まっていないかどうか、首回りに襟がないかどうか、ズボンもウエストのゴムが締まりすぎていないものでないと履けませんでした。
とにかく神経質で煩かったのです。

運動着の半袖は、僕にとって嫌なものでした。
半袖の腕部分がどうしてもチクチク感じてしまい着ることが出来なかったのです。
母は
「暑かったら自分で脱ぐはずだ。それに嫌がっている。」
先生は
「皆が半袖だから従ってほしい。」
学校で、僕は泣く泣く半袖を着させられ体育が嫌いになってしまいました。

体操着の一件で僕は、担任を警戒してしまい学校を休むようになって行きました。
母も無理矢理着させたことに心外だったので、僕には休む時間をくれました。
授業はどんどん進みましたが、自宅で一人絵を描いたりしていました。
そんなある日担任が自宅を訪れ明日から来るようにとだけ言いに来ました。

翌日、僕は渋々登校をしました。
すると
「やぁやぁ来たか。」
と大好きな算数の先生が声をかけてくださいました。
「ちゃんと来て偉いな、じゃあ放課後に欲しいと言っていたものを上げよう。」
僕は何だろうとウズウズしながら放課後まで待ち、算数の先生を訪ねました。
紙のロール芯がそこにありました。

算数の先生は、僕が欲しがっていたものを準備して待っていてくれました。
僕は嬉々としてロール芯をいただき、お礼を言いました。
早速帰って遊ぼうと、下駄箱で靴を履いていると隣のクラスの男の子が
「おい探検に行こうぜ。」
と誘ってきました。
僕は探検と聞いて興味を持ち付いていきました。

その子は問題児として有名だったそうですが、僕は知りませんでした。
くっ付いて歩きながら、ロール芯を振り回していましたが、その子は色々なところで何かをしていました。
僕は、気が付くこともなくその子のお供をさせられていたのです。
すると、先生に見つかってしまいました。
「何をしているの!?」

先生は、大きな声で他の先生も呼んでいました。
僕は、何が起こっているのかさっぱりわからず、ただロール芯を握りしめていました。
結局、さっきの子は教室に侵入し引きだしを開けて物色していたそうです。
先生は僕を見て
「これは泥棒なのよ。ロール芯も学校のものでしょう。返しなさい。」

そう言うと、先生は僕の手からロール芯を奪おうとしました。
そこで僕は抵抗をし
「これは僕がもらったんだ。」
と言いましたが、まったく信じてもらえませんでした。
さっきの子はどこかに連れていかれました。
母が呼ばれる前に、僕は無理矢理ロール芯を取り上げられ、悔しくて泣き出していました。

母が来るまでの間、僕は先生に責められました。
不法侵入だの、泥棒だの、窃盗だの。僕は算数の先生に聞いてほしいと懇願しましたがなかなか聞いてもらえず、僕は教室に閉じ込められてしまいました。
母が来た時の僕は、顔が青ざめ放心状態だったそうです。
先生達は、母に事情を説明していました。

すると母は激怒し、おかしいではないかと先生達に詰め寄っていました。
僕はショックで立ち上がることも出来ず、冷たい先生の顔がいくつも並んでいる場面を何度も思い出していました。
そこに算数の先生が騒ぎを聞き、僕を見て
「ロール芯は、間違いなく僕があげたものです。」
と証言してくださいました。

母は、それならば持って帰りましょう。
と言いましたが先生達は許さず、
「いえ、そのロール芯は学校の備品です。」
と言いどこかに持ち去ってしまいました。
ここまでは覚えているのですが後のことはショックで覚えていません。
その後僕は、泣きながら廊下で暴れ、先生達に反抗しまくったようです。

たかがどうせゴミになるロール芯を、いい大人が何も判断も出来ない子供から奪うなど、今思えば馬鹿馬鹿しい話です。
そうでなくても、あの日僕は久しぶりに登校し、ご褒美として算数の先生から直接許可をいただきもらったものです。
責める筋が違う。
母と僕は、学校に不信感を抱いてしまったのです。

結局、僕はタイミングが悪くたまたま問題児と一緒に行動していたことで、先生の心証を悪くし、泥棒と言われてしまいました。
それから、また僕は学校嫌いになってしまいました。
ロール芯で妹と闘いごっこをしたかっただけなのに、すっかり大人が怖くなり母以外の大人と目を合わせなくなりました。