【整理整頓の仕方】

ADHDは片付けが苦手だ。
僕はずいぶんこれには悩まされた。
なんでもかんでも机の引き出しに突っ込むせいで、
いざと言うときに探すだけに時間を取られるだけで
結局探せなくて買い足す。
そんなことを繰り返していたら部屋の中が
グチャグチャになり自室はゴミ箱になってしまう。

あまりにも酷い部屋の有様を見れば、
さすがの僕もやばいと思う。
しかし、ゴミ箱のモノをあっちにこっちに移したところで、
結局すぐに汚れる。
何度片づけても片づけても、片づければ片づけるほど
何故か散らかって行く。
集中が続かないので、途中で片づけそのものも
嫌になってしまいふて寝してしまう。



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ADHDの母も昔は僕と同じだったそうだ。
親に片付けなさいと言われると、まるでブルドーザーのように、
床に散乱したモノをザァッーとかき集め
押入れに突っ込んでいたせいで、
毎日「押入れの雪崩」が発生していた。
子育てをはじめると、片づけられないことは
悪化して表面化し、部屋はモノで溢れた。

母の一番酷い時は、赤ん坊が生まれてからだ。
独身時代はそれでもなんとかやっていたらしいが、
結婚して子育てのために専業主婦になったのにも関わらず、
家事に手が回らなくなってしまい放心状態になってしまった。
散らかった部屋に赤ん坊と遊んでいたところを、
両親が遊びに来て仰天したそうだ。

子供のオムツは洗えずに漂白をしたまま放置し、
部屋はベッドの上しか、普段居られる場所は無かった。
金銭的な余裕が無いので料理も漬物と米くらいしか食べられずに、
ただ赤ん坊をあやすだけだったようだ。
まだ母は21才だったから、赤ん坊にどうしたら
良いのかもよくわかっていなかったようだ。

母の両親は、新居が散らかり放題な実態を見て、
家庭の主婦である母の怠慢だと叱ったそうだが、
若い母は、ただ頷き
「出来ない。」
というだけで、片付ける気力も無い様子だったそうだ。
まだ、ADHDという診断も受けていなかったので、
誰も異常なことはわかっているが、ただ呆れるばかりだったそうだ。

母は、その頃のことを思い出しては、僕に話してくれた。
まだ子育ても要領がわからない上に、
両親から離れた場所で一人で子育てをしなくてはならず、
部屋は片付かず、料理も豆腐を買うか悩むくらいの
貧困だったそうだ。
その上、ADHDを抱えていたのだから
どれだけ苦労をしたのだろうと僕は思った。

両親に咎められ、
母は
「このままの環境では、子供のためにならない。」
と一大決心をし、来る日も来る日も掃除に明け暮れたそうだ。
しかしやはり片付かない。
どうしても部屋がスッキリせずに、目を何度もこすったそうだ。
何時間片付けようとも一向に綺麗にならない部屋を
じっと見たのだそうだ。

「おかしい。これは片づけにかける時間の問題ではない。
そもそも整理の問題なのではないか。」
何かがプチッと切れた母は、
それから掃除の手をいったん止めて、モノの処分に取り掛かり、
一気にほとんどのモノを捨ててしまったのだという。
母曰く
「あの時ほど爽快でスッキリした事はなかったわよ。」

母の
「なんでも捨てる癖」はこの頃に身についたに違いない。
あの時の快感がおそらく忘れられないのだろう。
今でも少し部屋が乱雑に感じると、
ブルドーザーのように腕が動き中身を確認しないで捨ててしまう。
携帯も捨ててしまったときには「問題ないわ。
だってわたしは子供だけは捨ててないのだから。」

不敵な笑みを浮かべる母を見て、
僕たち子供は思わずゾッとしたものだ。
下手をしたら、ゴミ袋に入っていたかもしれないぞと笑いあった。
母は一斉にモノの処分をしてから、次にモノを買うときに吟味したり、
モノが収まる場所を徹底的に作ることに没頭したそうだ。
端からラベリングもしたそうだ。

母はありとあらゆるものに
「駐車場」
を作るのだと言う。
いわゆるモノの指定席なのだが、
これがまた異常に細かい。
ペン一本から洋服に至るまで、すべてジップロックに収まっている。
中身が見えないと不安になるので、
「すべてを透明化、スケルトンにすればいい。」
と思いついたのだと教えてくれた。

ジップロックに入ったモノたちは、ラベリングされ全て管理される。
管理番号は分類されまとめられ、どの棚に収まるのかを決定される。
モノが必要になったときに、逆引きが出来るようにファイルも工夫された。
こうすることによって在庫管理も可能となったという。
まるで、どこかの会社のようである。

母は、何年も何年もファイルを作っては、
使いにくければ作り直しを繰り返したそうだ。
ラベルも工夫を重ね色分けをし、生活に必要なモノは吟味し、
なるべくシンプルにスマートにして不要なものは排除した。
我が家の引き出しはおかげさまで、
研究所のサンプリングがズラリと入っているような感じだ。

すべての洋服も管理されている。
写真に撮られジップロックに張り付けられる。
わざわざ中身を広げて、
「これはどんな洋服だったかな?」
と確認しなくても済むようにだ。
また季節によって色分けをしてあるので、衣替えもスムーズである。
洗濯をしたら、必ず所定のジップロックにいれるようになっている。

僕はこの母流の洋服管理が、小さいころは面倒で仕方がなかった。
何故なら、片付けるのは、障害が重いサイくん以外、
個人に任されていたからだ。
洗濯された洋服はそれぞれの部屋に「配達」される。
それを自分で綺麗に入れなければならなかった。
万が一にもジップロックに入れなければ捨てられてしまう。

母は容赦はしない。
家のルールについては厳しく守らされた。
僕は反発していた頃があったが、
洋服をジップロックに入れるのが面倒で放置していた。
母に
「今後は自分で管理するのでジップロックは結構だ。」
と訴えた。
すると
「それで管理出来るのなら一番良いでしょう。やってごらんなさい。」
と言った。

僕は、モノを管理出来るものと思っていたから清々した。
「いつまでもガキじゃあるまいし、なんでもジップロックに入れちゃって馬鹿みたいだ。」
と思っていた。
しかし、一週間もしないうちに、
洋服ダンスは引き出しが閉まらなくなり
着るものが部屋に溢れはじめた。
Tシャツのありかがわからなくなった。

おかしいな、
何故僕はモノが探し出せないのだろう。
と何度も我が目を疑い、洋服をかき回した。
ひとつ見つけてはひとつ失くす、これを繰り返すので、
部屋はあっという間に散らかった。
僕の部屋を開けた母の顔が今でも忘れられない。
「あなたも同じね。」
と言いながら
笑ってジップロックを寄越したのだ。

僕はその時に、はじめて自分の脳がモノの持つ刺激にやられやすく、
整理をして快適に過ごすには、駐車場(指定席)を作り、
管理する必要があると自覚した。
母の今までのやり方を見ていたので、そのまま真似をした。
すると、徐々に部屋は整理され、ゴミ箱状態から脱していった。
そして整理好きになった。

同じ悩みを持つADHDの人たちが、
どうやってモノを管理しているのかはわからない。
中には、モノに翻弄されて潰されそうになって、
おまけに時間ばかりかけて掃除をしても整理出来ない人たちも多いのだろう。
しかし、もしそうなっていたとしても諦めなくて良い。
解決する方法はいくらでもあるのだ。

片付けなんてつまらない作業だ。
飽きるし下手をしたら、だらしない様を見て自己嫌悪に陥るし、
踏んだり蹴ったりだ。
しかし、片付けたいのならやるしかない。
ここでつまらないことばかり=片づけとなってしまう。
まずは、そこのスイッチを変えると良い。
片づけることはスッキリ爽やか良いことばかりだ。

僕流ADHD用片づけ注意点として以下に挙げておこう。

①片づけのイメージを爽やか、
能率的、シンプル、すっきり、把握できない不安がなくなる
など良いイメージに脳内変換する。

②集中する時間が短いので、短時間しかやらない。
パートに分けて取り掛かっても良い。

③動線を考えて配置する。

④モノにラベルを酷使する。もしくは色分けをする。
ジップロックも良い。

⑤部屋が乱雑になってきたら、写真に収めておく。
どこに問題があるのか研究することが出来る。
ADHDの人が部屋の現場で眺めたところで、
落ち着かずにじっくり考えられないので逆効果だ。
 
⑥色の統一性を肝に銘じること。

⑦片づけをしたら、自分へのご褒美を決めておくこと。
毎日設定しても良いかもしれない。
僕は片付けた後に、おいしいものを食べるか飲む。

 ⑧気分の乗らないときは、お休みをする。
義務のようにやってしまうと、片付けが嫌いになってしまう。
ただし休み中は写真には納めておく。
問題点がわかりやすい。

細かく言えば、もちろんまだまだクリアしなくてはならないことがいっぱいある。
不用品を捨てること、そもそも分別出来ない場合には、
モノを手に取ったときに、
頭の上に「?」マークがついたものは、?マーク箱にいれると良い。
?のモノは不用品か切羽詰まっていないので後日猶予を決めておいて捨てる。

僕の場合、部屋が散らかり放題の時には、
?マークのものだらけだった。
部屋の様子は心の様子に等しい。
要するに、心の整理が出来ずに、
結果?マークばかりになっていると、
部屋も?マークの得体のしれないモノが集まるという仕組みなのだ。
?マークのモノは排除すると心まで明るくなってくる。

モノは、必要(または重要)・不要(ただたんにゴミ)・?マーク(心の乱れ)の3つだと思う。

もしも、心の中に自分にたいして必要じゃないし、
不要じゃない、なんだかわからないモノばかり潜んで溢れたら、
誰だってわけがわからなくなり心が重くなってくる。
それと同じで部屋もスッキリしないのだ。

ADHDという障害を抱えているからこそ、
ハッキリしておきたい。
生きているだけでも、自分が散らかりやすいのだから、
心の中や部屋の中を整理して、環境を整えてみたらどうだろうか。
簡単なことだ。
?を排除するだけなのだから。
自分で把握していない、よくわからない
先のものを抱えると重いだけだ。

素晴らしい面白い発想が芽生えるADHDの人たちには、
未来の心配など不要なのだ。
今、この瞬間に
「思いついたこと」や「奇抜なアイデア」や「素晴らしい実行力・行動力」
には、何も?マークは要らないだろう。
?マークがあったとしても誰も止められないのだから。
今を生きるADHDなんだから。 




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