小学生の時、消しゴムを忘れ後ろの女の子に借りた。
下校して、家で母にその消しゴムを見つかり咎められた。


ランキング参加中です。

両方押してくださると、僕こっそり喜びます!




にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ


母「お友達の消しゴムを持って帰っちゃ駄目でしょう。」
僕「何故?」
母「借りたものはすぐ返さないといけないわ。お友達が今頃家で消しゴムが無くて困っているわ。」
僕「え!家があるだって?」

母「そうですよ宿題をやるでしょう。それに借りたら返さなきゃ。」
僕「返してくれとは言われていないけど。」
母「返さないとお友達も使うのよ。」
僕「使っていなかったよ。」
母「それは学校ででしょう?」
僕「うん。」
母「だから家では宿題をするから使うのよ。」
僕「家があるだなんて今知ったもの。」

母「それは、お友達にだって家はあるし、お父さん、お母さんだっているでしょう。」
僕「え!?なんだって!?そうなのか。」
母「そうよ、お友達だって家に帰るんですから。あなたと同じです。」
僕「同じだって!?」
母「なんだと思っていたの?」
僕「学校に行くと友達が、湧いてくるんだと思ってた。」

母「え!?」
僕「え!?」
母「湧いてくるってどこから?」
僕「教室の壁?それか廊下の向こうかな?突然湧くし。」
母「なんですって?湧きませんよ。家から来るんですよ。」
僕「え!?」
母「じゃなきゃお友達はどうなると思っていたの?」
僕「学校が終わったら消えるんだと思ってた。」
母「え!」

僕「そうでしょう、さようならしたら居なくなるもの。消えてしまう。」
母「消えるわけがないでしょう。」
僕「いや消えるみたいだよ。学校に放課後、行った事があるんだけどね。
まるっきりスッカラカンで綺麗に存在が無くなるんだよ。気配も無い。」
母「それはそうでしょう。家に帰るんですから。」

僕「まさか。そんなこと見たの?」
母「まあ、実際には見てませんけれど。」
僕「ほうらね。帰っていないし、それを見ていないからわかるわけがない。
友達は学校にしか居ないんだよ。」
母「・・・」
僕「人に話すときはちゃんと存在を確かめてからにしてくれる?」
母「困ったわね。」
僕「僕も困ったよ。」

僕は、学校の友達も先生もすべて、
学校の付属品くらいにしか理解していなかった。
学校に行けば友達が居るのは、
僕が登校するとあちこちから湧いてくると思っていた。
母は、友達と一緒に下校したり、放課後友達の家で遊ぶことがあったらしいので、
そこで学校から家への繋がりが認識出来たのだろう。

しかし、僕は下校は一人だったし、
放課後友達と遊ぶことも無かったので、
友達は学校にしか存在しないと思っていた。
おまけに友達の家族までわかるわけもなく、
最初は凄く混乱をした。
そしてどうしても、母の言葉を信じることが出来なかった。
ゲームにログインするみたいにしか人を見ていなかったのだ。

それから母は、僕に学校に居る友達と、
家に居る友達を結び付けようとしてくれた。
同じクラスのMくんの家に訪問するきっかけを作ってくれたのだ。
僕は、とある家にいつも教室で見るMくんが居ると知って物凄く驚いた。
そして玄関の向こうからニコニコしたMくんが出てきたときには、またびっくりした。

僕はMくんの顔を凝視し、本物か確認しようとして何度も見た。
確かに、姿はMくんに間違いない。
それに声もMくんだ。
(なんだと!Mくんは二人いるのか!?それか瓜二つなのか?クローンなのか!?)
目を見開いて驚いている僕を、
Mくんは笑って
「僕の部屋においで。」
と言った。
僕は心細くなった。

僕はこの家のMくんとは初対面なので、
家に入って良いのかわからなかった。
困ってしまって、母を見るがどこかのおばさんと話しをしている。
すると、おばさんが僕に
「みらいくんどうぞ、5時まで遊んでいいわよ。お母さんがお迎えに来るからね。」
僕は何故、僕の名前を知っているのか恐ろしくなった。

僕は(なんだ、何故名前を知っている?スパイか!?)と
仰天しながら、もう刃向うとまずいと思った。
実際にはMくんの母親だったらしいが、僕はスパイだと勘違いをしていた。
その日は恐る恐る瓜二つのMくんの家で遊び、結構楽しかった。
母親が迎えに来るまで、持参したオヤツも僕はもてなした。

それから何度かMくんに瓜二つのMくんの家に遊びに行ったが、
どうもMくん同士、情報交換がなされているらしいと知った。
何故なら、教室で話したことが家でのMくんの会話にも出てくるからだ。
教室のMくんに「合言葉」も教えておいたが、
家でのMくんもそれを正解した。
一体どういう仕組みなのだ。

そして決定的だったのが、Mくんといよいよ一緒に下校する機会があった時だった。
僕はマジマジとMくんがどこで消えるのか、ジロジロ見ていた。
しかし、Mくんは、途中で消えることも無くそのまま、
あの家に帰りMくんとしておばさんに迎えられた。
ここでやっと僕はMくんの存在を疑うことを止めた。

今でも、Mくんは僕のことを覚えてくれている。
僕ももちろん、彼のことは忘れないだろう。
友達がはじめて、学校以外の外の世界にも存在していることを、
認識させてくれた素晴らしい友達だと思っている。
あのまま勘違いのまま、僕は成長しなくて良かったと、
今、真面目に思うのだった。 



ランキング参加中です。

両方押してくださると、僕こっそり喜びます!




にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ