発達障害なう

ツイッターで、投稿したものをコピーしてあります。

特性行動

【ご注意】このブログ(ツイッター含む)の文章の内容は、僕が障害を乗り越える過程です。現在進行形ではありますので、人によっては不快に思ったり、障害当事者の方は、フラッシュバックを起こす危険性もあります。文章で生々しく当時のことを再現しておりますので、閲覧される場合はじゅうぶんご配慮の上、自己責任でお読みください。また、自傷などは、一切僕はしておりません。
また、このブログに書いてあることは、あくまで、一障害者の発言であり、専門家の意見ではありません。僕の発言だけを鵜呑みにすれば、危険をともなうことになりかねません。そして、僕の文章は、全てを網羅するものでもなんでもありません。そして、発言内容を他者に押し付けるつもりもございません。その点、ご留意の上、お読みくださると幸いです。
【自己紹介】ADHD アスペルガー症候群 強迫性障害 反社会性人格障害 10才で診断。双極性障害は19才で診断。 小1からの出来事をツイートしています。発達障害関連無言フォローします。愛の手帳4(療育手帳B2)障害者手帳1級取得。精神年齢14才。亡母がアスペルガー・ADHD、現在21才。フリープログラマー♂ 2015年6月9日スタート

感覚過敏 身体編

感覚過敏 身体編

僕も兄も、二人して身体に触られるのを嫌がった。
それは小さい頃からで、いくつもおかしなところがあった。

赤ちゃんの頃、洋服を腕に通すのを嫌がった。
まとわりつくのを嫌ったようだ。
着せても、すぐに腕だけ外してしまったそうだ。

帽子を被らなかった。

靴下を履くのを嫌がり、履かない、または脱いでしまった。

ぎゅうぎゅうされるのが好きで、背中からお腹にかけて紐で縛ってもらい、武器(おもちゃのピストルや刀など)を装着していた。(中学生まで続く)

抱っこが嫌いで、ベビーカーも海老反りで嫌がったそうだ。
しかし、何故かチャイルドシートだけは、乗ったそうだ。

幼児までは、布団が苦手で、硬いところを好んだ。
ダイニングテーブルの下や、ベッドの下で寝ていた。

海に行って、砂で遊んでいたが砂が取れずパニックを起こした。

足をなるべく接地したくないので、つま先で歩いていた。
サイくん(双子の兄)は、現在もこのスタイルだ。

そして、なるべく無駄なく移動したいので、カンガルーのように飛ぶ。

とにかく身体のどこでも、ベタッとつきたくない。

よくツイートしているが、洋服のタグは取る。
穴が開いてもいいので、縫い目から取る。

椅子に座るときでも、下に足を下ろさない。

こんな感じかな。




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感覚過敏の料理提供について 加筆

僕が発達障害(アスペルガー症候群・感覚過敏)の兄に料理を提供する際に気を付けていることです。
人それぞれ、好き嫌いは違うと思いますが、兄は物凄い偏食で、いちいち煩いのです。
また、給食などは、小学生4年の2学期から、まったく食べれなくなりました。
人の刺激だったり、臭いが混ざることに耐えられなかったようです。

僕も同じでしたので、この時母は、
「二人とも、あんな美味しそうな給食に、いったい何が混ざっているというの!?」
と驚いたようです。
兄と僕が、給食を食べれなくなったのは、夏休みに教室の床にワックスを掛けたせいなのです。
その臭いが床に染み込んでいたため、給食の臭いと混ざり、気持ちが悪くなっていたのです。

そして、僕の個人的な考えとしたら、感覚過敏の人はあらゆるところで、感じるレベルが大きいのです。

普通は、ちょっとザラザラだとしたら、感覚過敏だと、全体が砂のように感じます。
ネチョネチョは、ベタベタ。

いろいろな特性にもよりますが、もし、子供さんへの食べ物の提供で、行き詰っていたら読んでみてください。
それと、食べないからといって、無理強いはせず、食べたいものだけ与えてほしいなと思うのです。
子供さんの好きなものを出して、与えれば良いだけです。

【全体】

温度に注意する。
熱いとビックリしてしまう。
食事を提供されると、すぐに食べたい(待てない)ために、適温にしてから出すこと。
ご飯(白米)の品種が違うと、食べなくなることがあるので、なるべく同じものにする。
また、炊き方にも注意する。(いつも一定にするなど)

おかずを混ぜてしまうと食べなくなるので注意。
お皿に、付け合わせと肉料理など、一緒に置かないこと。

三角食べ(おかずを平均して食べること)が出来ないが、それについては注意しない。
口の中でいろいろな味が混ざるのが、とても嫌なので仕方がないのです。

サクサク音とか感触(きゅうりとか)、シャキシャキ音とか感触(生野菜など)が嫌な子もいる。

パサパサしたもの(水分の少ないもの)は嫌。(食パン・クラッカー・パイ)

蒸気が上がるものなどは、極端に味が混ざるので嫌。(冷ましてから提供する。)

最初の形から、形が壊れるもの、切り分けなくてはいけないもの(形が変わるのが嫌ホールケーキなど)は、嫌がるので、事前に切り分けておく。(原型を見せない。)

ピザなどは、丸ごとじゃないと嫌がる。
(半分だけとかは、怒り出して食べなくなる。汚されるのが嫌らしいのと、ピザとは丸だと思っているので、認識と違うためだと思う。)

食事中に刺激しない。(テレビなども絶対につけない。)
話しかけないこと。
食べることに集中しているので、ストレスになるようです。

兄妹の刺激が強い時は、別室で食べさせる、または、時間をずらすなど工夫をする。
僕は、兄が食べているときは、さりげなく別室に移動するようにしています。

ランチョンマットかトレーを使うこと。
自分の食べ物がどこまでなのかを把握したいのと、取られる心配がない。(不安がない)

食器については、扱いやすいもので、食べやすいものにすること。
箸だけでなく、場合によっては、スプーンを用意しておいてくれると助かります。

スプーンやフォークなどは、柄の細いものは扱いにくい。(モノの工夫・手先が不器用な子には特に)
指先の力の入れ加減がわからないので、ぎゅうぎゅう持ってしまうこともあり、食べている途中で手が痛くなってしまい、食べることを中断してしまいます。
そうなると、もう食べなくなるので、箸の代わりになるものは、なるべく提供しておいて欲しい。

兄の場合は、苦手なものを取り出す小皿を準備しておきます。
それは、「食べられないもの入れ」として、使用します。

兄は、コンビニ弁当や、おにぎり、カップ麺も好きです。
いつも同じ味なため、安心して食べられるようです。
手作りにするにしても、なるべく一定の味付けと見た目でないと、食が進みません。
特に、不安定だと感じたら、一定のものを出すようにしています。
手抜きというより、その方が、兄にとっては有難いからです。

【お肉】

食べやすいように一口大に切る。
厚さがあるものは、噛みきれずいつまでもモグモグしてしまい、喉に詰まらすので小さめにする。

薄い肉は、ばら肉はOKだが、脂身がないものは細かくする。
肉は口に対して横に大きいと、どうやって食べたらいいのかわからないので、細長くする。

(口の大きさがわからない、口の容量の限界がわからないため、たくさん食べてしまう。)

調子の悪い時は、ひき肉を使用する。
例 餃子、ハンバーグ、ミートボール、ピーマンの肉詰め、ロールキャベツなど


【野菜】

キャベツなどの芯は食べれない。(噛みきれない)
他にも硬いものは、食べれないものが多い。

見た目と感触が想像と違うと吐き出してしまうことがある。
同じく味もそう。

嫌だと言った野菜については、次回どこまで入れていいのか聞いてみる。
ダシを取るために必要な場合は、それも説明をする。
案外、提供するときに入ったままでもOKになることがある。
(自分で取り出すようになる)
例 カレーに玉ねぎを入れると、甘味が出るよ。→じゃあ自分で出すから入れていいよ。

ドレッシングなど、先にかけておくと駄目。(混ざって気持ちが悪くなる。)
豆腐も、醤油をかけておかない。(変色するため。)

口の中での感触がネバネバしていると食べれないことがある。
例 オクラ ナス 玉ねぎ シイタケ トマト 白菜

【魚】

必ず切り身にして提供する。
骨から取り分けることが出来ない。
また小骨を出せない。
骨をそのまま食べてしまいます。喉に刺さってから気が付くので注意が必要です。

焦がさないこと。(焦げると見た目から食べなくなる。)

【果物】

りんごや梨は一口大に切る。(うまく齧れないため)
すいかは、楊枝ですべての種を取らないと気が済まないため、一口大にカットしてから提供する。
バナナは、いじっているだけでうまく食べれない。
皮をむけるものは、剥いて提供する。
そのままでOKなのは、みかんとアメリカンチェリーくらいかな。


他にもあると思いますが、とりあえず今思いついたことを書いておきました。
感覚過敏でもある兄には、無理なく食べれるようにこれからも工夫をしていくつもりです。


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僕のRPGは現実世界になる 第二話

僕のRPGは現実世界になる  第二話

※文章中の出来事は全て実話です。創作ではありません。
尚、身バレしない程度にフェイクを入れる箇所もありますがご了承ください。
(ほぼそのままですが)

第一話はこちら


「アル!」
僕は街に二人で行ったころからアルをすっかり呼び捨てにするようになっていた。
僕のネトゲ内での呼び名はライ。
だからアルは僕のことを「ライ!」と呼び捨てにしていた。

僕に呼ばれたアルは剣を出して返事する。
「あっちだ!」
アルが剣で指し示した方向には、息をのむほど不気味な骸骨がいた。
大きなモンスターがひしめくここはダンジョン。
地下牢のようなところにうようよと、ロウソクが灯るだけの場所で僕たちはレベルを上げていた。
突然毒グもが襲ってくることもある。
そんな時は僕が先陣を切って縦となり、アルがとどめを刺す。
そんな狩りの仕方が自然とカタチになっていった。
ダンジョンは危険だが、ここは経験値もうまいし、モンスターを倒してもらえる報酬も高額だ。
最初は入口で二人してやられてしまい、死んでしまったが、何度もトライしてやっと狩りと言える位にまでお互いに腕を磨いた。
そこでわかったことがある。
何でもかんでも突っ込めばいいというわけではないということだ。
敵が大きければ大きいほどそうだ。
よくよく作戦を練り、タイミング良く斬り込まなければただ犬死するだけだ。
僕たちは、死んだりしたときは、何故そうなったのか反省会をした。
たかがネトゲだが、二人にとっては真剣である。

「いいか?相手の動きをちゃんと見るんだ。不規則に動いているように見えて実は同じだ。」
アルはそう僕に言う。そして続いてさらに
「ライがタゲを上手に取らなくては、こちらに下手すると攻撃が来る。」
僕は
「わかっている。責任重大だな。でも任してくれ。次はうまくやる。」
ダンジョンに入ると、大きなモンスターは突然目の前に現れた。
僕は咄嗟にモンスターに向かい走った。
まずいことにターゲット(的)がアルになってしまったようだ。
「おい、お前、相手はこっちだぞ!!」
と僕はモンスターを挑発する。
アルからモンスターを離すためだ。
アルは
「ライおい!危ないぞ!」
モンスターは思惑通り僕に向かって突進してきた。
その姿はゾッとするものであったが、今はそんなことでビビっている場合ではない。
「ヘイ!来いよ!遊ぼうぜ!」
と迎え討った。

そよそよと揺れる草。
穏やかな光が射し込む教室。
机と椅子は木で出来ていて、あちこち傷がついていた。

「みらいくん。ここか。」

教室のドアから、ぬっと現れたその姿は、まるで朝戦ったモンスターのようにデカイ大人だった。
名前を呼ばれたところで、返事するようなことはしない。
そもそも、呼んでくれとお願いしたわけでもない。

「これから30分ほど勉強をするのだが、なにをしたい?」
デカイモンスターは言った。
「知らない。つかあんた誰。」
僕は椅子をガタガタ言わせながら口を尖らせた。
「先生だ。」
デカイモンスターは当たり前だというような顔で言った。
僕は
「誰の?誰の先生?」
するとデカイモンスターは
「君のだよ。みらいくん。」
とまた言った。
僕は
「そんなのお願いしていないけど。」
とデカイモンスターの真似をして当たり前だというような顔で言う。
「君が決めていなくても、先生なんだよ。」
その大人のデカイモンスターは、少し顔を歪ませた。
大人は大抵こういう顔をする。
よく見る顔だった。
そしてこういう顔をする大人はトンチンカンなことばかり言う。

勉強しなさいとデカイモンスターは言ったが、僕はそっぽを向いていた。
外の光はキラキラ揺れる。
手をかざしてみる。
指の間から光線が放たれたかと思うと、掌は真っ赤になった。

「今日は学校で何をしたの?」
と車で迎えに来た母が聞く。
「別に。」
僕は窓から外を見ながら、下校する生徒を見ていた。
もしかしたら一緒に帰っていたかもしれない友達は、3~4名で大笑いしながらランドセルを背負って走っていた。

「そう。」
母は表情を変えずに家に車を走らせた。
いつも母はそうだ。この変えないところが助かっている。
学校はストレスだらけだ。
それなのに、帰って早々あれこれ聞かれた挙句、落胆され怒られたのでは嫌になる。
僕だって、母を失望させたくはないのだ。

自宅に到着すると、母は
「お疲れ様、ゆっくりなさいね。」
と声をかけてくれる。
僕は、うむ、と偉そうに返事し、玄関でもつれながらバタバタと自室に走る。
さあ、また冒険の世界に飛び込もう。

ログインするとアルはやはりもういた。
「こんにちは!」
そういうとアルは振り向くようにして
「おかえり。」
すると、言ったその先にもう一人誰かがいた。
「お邪魔しています。」
誰だ誰だ誰だ、と脳内はすぐさま沸騰したが、そんなことはおくびにも出さずに
「ノノ」
と反応した。
ノというのは、カタカナのノだが、まるで手を上げているみたいに見えるので挨拶によく使う。
「ノノノ」(よう!)
というような感じだ。
アルは
「なあ、俺たちでギルドを作らないかと話していたんだ。」
「そう、そうなんです。どうですか?」
もう一人の名無しはそう言う。
僕は
「どうって。ギルドって何?」
名無しは
「大人数が集まった集合体ですよ。団体ですね。簡単に言えば現実の世界の会社みたいなものです。
皆で一緒に同じエンブレムをつけて一緒に戦うんですよ。
例えば、ギルドに入ればいつもは一人でも、所属していればいつもよりも早く狩りのパーティにありつけることが出来る。
レベル上げだって手伝ってもらえたり、アイテムの情報もやり取り出来ますよね。
そして、ギルドのメンバーは、それぞれこのギルドに所属しているんだってことをちゃんと自覚してもらうとか、加入するのに条件があるところもありますよ。」
と説明をしてくれた。

この名無し。
なかなかこの世界のことをよく知っているようだ。
「だからさ、俺たちも二人で闘っているが限界があるだろう?そこでギルドを作ったらどうかって、彼の意見に乗り気なんだよ。」
と、アルが言う。
僕は、特に異論もないし、面白そうだったのでワクワクしてきた。強くなれるのならばなんでもいい。
「うん、賛成。いいじゃんじゃないかな。」
「よしっ!」
と名無しが叫んだ。
そして
「良かった!あ!俺はマニア。」
そう言われ彼の姿にカーソルを当てると「mania」と浮いて出てきた。
「うん、よろしく、僕はライ。」
と、人生初めてと思われる挨拶を僕は済ませた。

「そこで、ギルドマスターだが、ライやってくれるな。」
と、アルが突然言った。
「ああ、もちろ、え!?ちょっと待って。何故僕。」

アルとマニアはニヤニヤしてちっとも理由を答えようとはしなかった。



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僕のRPGは現実世界になる 第一話

「僕のRPGは現実世界になる」
僕はオンラインRPGにハマっていましたが、それはただのゲームだけに終わりませんでした。
そこから得たものは今の仕事にも生かされているのです。
それはどんな内容だったのか書こうと思います。
小説並みに長くなるので少しずつ書きツイートしてからブログにもまとめます。

尚、とても残念なことに当時ゲーム内で散々撮ったスクリーンショットが見つかりません。
もしどこかにあればブログに貼りたいと思います。
パソコンをしょっちゅう変えているし、リカバリーもしているので、
もしかしから外付けハードディスクに残っているのかもしれません。
そこまではまだ見てなくて。


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『僕のRPGは現実世界になる』
第1話


目を開くとそこには腰までの草が生えていた。
眩いばかりの緑がぱっと広がる。
僕は布をまとっただけの質素な服で突っ立っていた。
遠くから心地よい音楽が流れてくる。
ハーブのような柔らかい音色だ。
どこから鳴っているのか虫の声と合奏している。

僕は今日からこの仮想空間に住むのだ。
ネットでアクセスする多人数参加型ロールプレイングゲーム(MMORPG)だ。
これを目にした時ワクワクした。
現実世界の僕というキャラクターではうまくいかないから余計にだ。
新しく生まれ変われる、強くて逞しいかっこいい僕にね。
そんな夢を見ていた。

住み心地は良さそうだ。
自分の身体を確かめるように歩いたり走ったりしてみた。
走るたびに僕のブロンドの髪が跳ねた。
冒険は大好きだ。
行ったことがないところに先陣を切って行くのが性に合っている。
だから懐にナイフを持っていることに気が付いたとき小躍りしたのだ。

「これでモンスターを倒せる。」

この美しい草原には場違いなくらいの変な顔をしたモンスターが出た。
はじめて出会ったときは驚いたがもう慣れてしまった。
今では一撃で倒せるようになり倒してもらえる報奨金で少しずつ防具を買い揃えた。
何しろ戦うのに質素な布の服では僕のダメージが大きい。
一気には買えないのでコツコツと集めた。

そのうち同じ場所で戦うアルと顔見知りになり
お互い励ましあいながらモンスターを狩るようになった。
アルは茶色の髪の無口な男で僕がログインするといつもいた。
ある日のことだ。

「向こうの街エリアに行かないか?」

ゴブリンを倒しながらアルは言う。

「いいね。街!よし、すぐに行こうよ。」

それには準備だ、と僕は野原の倉庫に走り出した。
嬉しくてたまらない。
いつか街には行ってみたかったが道中一人ではきつかったのだ。
ワッとモンスターに囲まれて僕はすぐにいつもの草原に戻された。
二人で助け合えば街に着くかもしれない。

さようなら美しい草原。
僕には次のステージが待っている。

遠くの方で僕の名前を呼ぶ声が聞こえる。
優しくて穏やかで。
あれ、誰だったかしら。
ふっと薄目を開けてみる。薄暗い柔らかな光の中に人がいる。

「起きた?学校ですよ。スクランブルエッグ作るからね。」

そう言うとその人は去って行った。
学校ってなんだ、アルはどこに行ったんだ確か街に着いて。

そうだ、命からがら散々だったけれどなんとか街には着いたんだ。
酒屋から賑やかな音楽が鳴り響く街は
どこもかしこも石畳が敷かれ人がひしめいていた。

各々が好きなように店を出し、商売をしてお金を貯めていた。
その光景に2人で面食らい、田舎者だったことを思い知らされた。
そこはまるで別世界だ。

美しく光り輝く七色の防具や剣を持ち、優雅に仲間同士で語り合っていた。
彼らはまるで天使のようだ。

聞いたこともないモンスターの名前も聞こえた。
僕が着ている防具なんて捨てるような価値だということも知った。
途端に恥ずかしくなり肩身の狭い思いをした。
もっと稼いで良い防具を揃えたい。

僕は唇をかんだ。
悔しいと思った。
アルもそうだろう。
二人で橋の上に立ちただ黙って茫然としていた。

仮想空間の川は一方方向に流れ、佇む二人を動かそうとしていた。

「起きなさ、あら起きているのね。早くこっちにいらっしゃい。」

僕は我に返った。
ドアの向こう側からは卵の良い匂いがしてくる。

ベッドからノロノロと立ち上がり廊下をゾンビのように歩いた。
ダイニングテーブルには好物のスクランブルエッグがベーコンと置かれていた。
椅子にどっかと座りぼうっとする。
さっきの世界の僕と違いこっちの世界ではすぐには頭が回らない。
僕のエンジンは温まるのが遅いから身体も動かない。

半分腫れた瞼を重いシャッターを開けるように持ち上げてみる。
しかし重力で瞼は閉じようとする。

「昨日何時まで起きていたの?具合悪いの?」

柔らかな光の中の人は聞く。

「わかんない。」

と言って僕の瞼は閉じた。
おでこをそっと触る気配がした。
おでこよりも温かな手は母のものだった。

アルと街に出かけたんだから。
夜更かししたに決まっている。
夜更かしというかアルといる世界は明るかった。
太陽がずっと昇っている世界さ。
だからずっと遊べるんだ。
時間なんてない。
そのうち昼も夜も季節だって再現する世界も出来るかもしれない。
星空を見ながら寝そべって蛍だって飛ぶかもしれない。

「これから行きます。」

母は学校に電話を掛ける。
これから意味のない時間を過ごす。

僕は小学生という自分の身分にウンザリしていた。
反抗するように手ぶらで登校する。
ランドセルなんて背中にへばり付くから嫌だ。

車での登校はこれは悪くない。ただ、やることが無い。
一体学校で何をしろというのか。

薄暗い人の臭いのする校舎に入り玄関で出る時に嫌々履かされた運動靴を脱ぐ。
渋々脱いでいるので時間がかかる。
母は横で根気よく待つ。
今は授業中で玄関に誰もいない時間だ。
わざわざその時間を狙って登校している。
人に会うことが嫌なのだ。
腹が痛くなってくる。ストレスなのかしょっちゅうだ。

靴を脱ぎ暗い校舎の廊下を歩く。
上靴がたまにキュッという。

僕は特別支援学級に所属している。
中庭の見える教室だ。
中庭にはプランターがいくつも置いてある。

ふとよぎるあの美しい草原の光景。

風と虫の声が脳内で聞こえる感じる。
早くあの美しい草原に帰りたい。
人の臭いのしないあの草原に。






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会いたくない人がいる

いいと思うとすぐに落下する。
何故だろう。おかしいな。
気分屋なのかな?
昨日から、少しずつ自分のコントロールが効かなくなって来た。
薬が効いてもう大丈夫だと思ったのに、
まただよ。
また拒絶感が出て来てしまった。

【2016年7月13日 ツイート】

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暗いくらい部屋でつい昨日までは
あんなに眠れた夜なのに
目は覚めて大きく開いて
口は硬く閉じてわけのわからない不安に
スッポリと包まれている
真っ黒だSOSを出して
またあの不安のない時間に行けるなら
方法を知りたい
こんな自分でも逃げ出すわけに
いかないから漂白したい

会いたくない人がいる。
その人はとても強引で早口で、社会で成功している。
会いたくないから、LINEも電話も、
自宅に来ても無視していたら、
とうとう騙し討ちされた。
何も知らない妹を使い僕の行き先を知り、突然現れたんだ。
恐怖しかない血の気が引いた。
苦手なんだよ、君が。
それを言えなかった。

顔を見た途端、フリーズした。
何かを言っているが、頭に入らない。
言語を聞き取れない。聞き取りたくない。
関わらないでと言いたいが、口がパクパクするだけだ。
辛うじて、調子が悪く不安定なんだと言う。
相手は目をそらす。
連絡が取れないことを怒っている。
取れないよ、僕は、スマホを見ないから。

見ない、んじゃなくて、家族としかあまり連絡取らないから。
人に会いたくないんだよ。
矢継ぎ早に質問や、答えを求められ、
追い立てられて、僕は千切れてしまった。
思考は停止した。
好きにすればいいよ、好きにしてくれれば、
後のことを考えることが出来ないから、
ただ、言われるまま突っ立っていた。

リセット出来たらいいのに。
人間関係を。
僕は仲良しになるのがとてもとても苦手で嫌なんだ。
人との距離感がわからないから、
仲良しは何をするのかもわからない。
一方的に仲良しだと言われても、さっぱり理解出来ない。
何がどれくらいで、仲良しなんだかわからない。
僕は、仲良しだとは思えないからだ。

頭が曇り、目には膜が張り、口は閉じたままになりたくなる。
ショックで昨日は、料理も出来なかった。
また逆戻りだ。
味も感じなかった。
悔しくてたまらない。
なんとか踏ん張って不安定さを
穏やかに滑らかにしようとしていることが、
一瞬で崩された。
外に出るんじゃなかった。
胸に石がまた詰まった。

どうやら特別な人を仲良しと言うのではないようだ。
顔見知りも、関わりがあった人も、
いつの間にか仲良しになるらしい。
僕は決めた覚えもないし、
仲良しになってくれとお願いもされていない。
プライベートにズケズケと入る許可もしていない。
嫌だ、誰も入れたくない。
仲良しだなんて、いらない。

仲良しはいらないけど、特別な人はいい。
家族とか、理解者とか、彼女とかなら、
きっとお互いに大切に思うならば相手に配慮するだろうから。
距離感が掴みにくい仲良しは、混乱するだけだ。
障害があることを言っても、
的外れなことを言われてしまった。
頭にくる。
元気そうだと、言わないで欲しい。

また、闘うのか。
嫌になる。まただよ。
また、襲ってくる。
安心して眠りたい。
温かいもの、口に入れて、甘えたまま眠りたい。
大丈夫だと言われれば大丈夫だと思うかもしれない。
手を繋いだまま眠りたい。
僕はもう赤ん坊に戻りたい。
ただ、眠りたい。埋もれたい。
長い長いただ長い。
縫い直したい自分を。

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