社会人にとって、時間というものは貴重なものなのになります。
なにしろ、有限ですから、いつまでもノンビリというわけにはいきません。
僕は母に、時間を身体の感覚でも覚えるように、慣らされてきました。

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【ツイッター 10月6日】

朝は発達障害を抱えている人だけじゃなくても、誰でもバタバタ忙しい。時間に追われて阿鼻叫喚だ。家庭で出来る支援の中に、タイムテーブルを作るというものがある。しかし、このタイムテーブルも「何時からこれをします。」というものと「何時までにこれをしておいてください。」と二種類ある。

僕は「何時から~」だと、イメージしにくくて結局出来なかった。むしろ「何時までにこれを終わらす」方が理解しやすく、時間を見ながら行動出来たように思う。起床・歯磨き・トイレ・支度・着替え・朝食。手順書を作るのも工夫次第で一人で出来ることも増えたと思う。母もこれを作成していた。

母の作るタイムテーブルは、1時間ごとに線を引いてあり、時間の最後にやらなくてはいけないことが書いてあった。朝、もしくは、出かける前の場合は、もっと細かく20分だった。母曰く、10分だと短すぎ、30分だと長すぎるのだという。僕の場合は、絶妙なのは20分だということなのだろう。

万が一、その20分の中でやれていないことがあると、それは切り捨てられ次の項目に移行する。たとえ本人が困ろうとも、やらないのだそうだ。わざわざ時間を延長したり、母が手伝ってやるよりも、いっそのこと切り捨てて、時間を守る努力を自分でさせて、目安を身体で覚えさせるためだと言っていた。

病院に行こうとしても、歯磨きが時間に間に合わなければ、そのまま病院に行かなくてはならない。トイレもそうだ。そうなってしまうと、僕が気持ちが悪い。気分は最悪だが、これも自分がグズグズしていたせいなのだ。母は病院で涼しい顔をしている。当たり散らしたくて母に文句を言うと返り討ちに合う。

「歯磨きは出来なかったじゃないか!」と愚図れば、「何故ですか?」と聞かれてしまう。「それは、」と言いかけて僕は黙る。僕の失敗の理由を聞かれているとわかったからだ。そうだ、僕は病院に行きたくなかったし、ルールを守りたくなかった。嫌なことをしたくなかった。母は僕の様子を見てから言う。

「タイムテーブルは目安です。目盛りです。やることを完璧にしなくても、身体に支障はありません。要は出かけられれば良いのですから。しかし時間を覚えるための練習ですから、次からはうまくやってみることね。」僕はそう言われれば、否定も非難されたわけでも叱られたわけでもないので、素直に頷く。

母は、僕がきちんと時間通りに動かなくても叱らず、怒鳴らず、ただ出かける時だけは、何があってもさっさと出かけた。そして、いつも「時間に沿って動かなければ、困るのはわたしではなくあなたです。気分が悪いのもあなたです。」と言い僕にタイムテーブルのカードを毎度手渡してきた。

僕は前日に渡されるカードを見ながら、少しずつ心の準備をした。大きな行事の時は、1週間前から渡されていた。僕があまりにもカードを無視するときは「あなたがカードを見れないのなら、何か原因があるのかもしれませんね。明日から首から下げましょうか。」と言って来た。それは嫌なので渋々従った。

母は今でも、僕が時間にルーズだと「困るのは自分自身。」「わたしは何も困りません。」と言う。そう言われるのが、僕には一番しんどい。社会に出れば、自分で時間を把握出来なければ、間違いなく遅刻してしまうだろう。あのタイムテーブルと母の態度が無ければ、僕は覚えられなかったと思う。終

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